多々良沼・城沼自然再生協議会について
多々良沼・城沼自然再生協議会設立趣旨
邑楽・館林地域は、低地の湿原数多く残存し、湖沼やヨシ原等を中心に、地域特有の生態系を保持してきました。
しかし、近年の開発圧力等から、水鳥の飛来種の単純化や,ブラックバスなど外来魚による被害増加,水生植物群落の変化、それに水質の悪化などが問題となっており、県や市ではこの課題に対応すべく、自然再生型の都市公園の整備や、水質浄化の取り組み等を進めてきました。
これを更に推進し、有機的に結び付け、真に実行性のある取り組みに進化させるためには、多々良沼、城沼の健全な利用や環境教育・環境活動の充実など、より一層の地域を巻き込んだ多角的な取り組みを、地域の独自性を育みながら進めることが必要です。
このため,多々良沼・城沼の豊かな自然を保全・再生・創出・維持管理していくためにはどういった取組が必要なのかを共に考え,そして実践していくための場として,自然再生推進法第8条第1項に基づき,自然再生事業を実施しようとする者や地域住民,NPO,学識経験者,地方公共団体,関係行政機関など地域の多様な主体により「多々良沼・城沼自然再生協議会」を設立することとします。
“タテ”と”ウダ”が織り成す地域特性
邑楽・館林地域は、低地の湿原数多く残存し、湖沼やヨシ原等を中心に、地域特有の生態系を保持してきました
邑楽・館林地域の特性を端的にあらわしたのが次の言葉です。
市街地【キツネが教えた”タテ”のまち】
郊外【ヨシ原が結ぶ”ウダ”の回廊】
“タテ”とは、戦国時代のある種の理想の地であり、
a) 土地が高く乾燥しており普段の生活に適し、
b) 水田に適する平地があって多くの人々が生活でき、
c) 周りに敵が攻めにくい低湿地があり、
d) 見晴らしが良く、
e) 静かに退却できる山林と一方で連絡し、
f) きれいな飲み水と燃料があること
を条件とした土地を指す言葉です。
“ウダ”とは、陀、宇田などと表記し、低湿地を指す言葉です。(以上は柳田国男「地名の研究」を引用しました)。
「狐の尾曳伝説」のある館林城(尾曳城)の城下町は、低地の湿原が市街地周辺に数多く残存した”タテ”であり、周辺には湖沼やヨシ原等を中心に、地域特有の生態系を保持した”ウダ”が取り巻いている独特の地域特性を持っています。
自然再生にむけて
近年の開発圧力等から、水鳥の飛来種の単純化や,ブラックバスなど外来魚による被害増加,水生植物群落の変化、それに水質の悪化などが問題となっており、県や市ではこの課題に対応すべく、自然再生型の都市公園の整備や、水質浄化の取り組み等を進めてきました。
これを更に推進し、有機的に結び付け、真に実行性のある取り組みに進化させるためには、多々良沼、城沼の健全な利用や環境教育・環境活動の充実など、より一層の地域を巻き込んだ多角的な取り組みを、地域の独自性を育みながら進めることが必要です。
このため,多々良沼・城沼の豊かな自然を保全・再生・創出・維持管理していくためにはどういった取組が必要なのかを共に考え,そして実践していくための場として,自然再生推進法第8条第1項に基づき,自然再生事業を実施しようとする者や地域住民,NPO,学識経験者,地方公共団体,関係行政機関など地域の多様な主体により「多々良沼・城沼自然再生協議会」を設立いたしました。
参加と役割の分担を法的な根拠(自然再生推進法)に基づき実施 →自然再生及び維持管理への課題に対応するため、関係者それぞれが役割分担に応じた自然再生に取り組み、維持管理につなげていく仕組みを構築
多々良沼・城沼における自然再生及び維持管理に関する課題
多々良沼・城沼における自然再生及び維持管理に関する課題
ア) 生物多様性の確保→多々良沼固有の生態系、種、遺伝子の保存についての体系的な計画が未整備
イ) 外来生物への対応→外来魚(ブラックバス)等の駆除及び在来魚の保存には漁協の協力が不可欠。
ウ) 取得農地の管理→沼周辺の取得農地(約4ha:里地)の管理には農協等による営農的な管理が必要。
エ)水質の浄化→水質の浄化には、河川、下水等、流域全体の理解と協力が必要
自然再生協議会の仕組み
スケジュール
平成21年度 | 平成22年度 | 平成23年度 | 平成24年度~ | |
工事・用地買収 | (※各種調査も実施) ーーー→ |
再開(自然再生に配慮) ーーー→ |
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自然再生協議会 | 設立 全体構想策定 ーーー→ |
実施計画策定ーーー→ | 自然再生への取り組み | |
維持管理 | ーーー→ |